会社や組織のブログを続ける技術 ① 

conti catch Atelier

会社のPRサイトを作るとなると、まずはそのパーソナリティが見えるよう日々の活動内容紹介を更新し続けなければなりません。他所(よそ)の企業様には「いやぁソーシャル、大事っすよ。内容よりもまず最初は頻度、頻度」とか軽口叩いたりしてますが、実際自分の会社でやるとなると気が重いです。うちは目的特化のサイトをいくつか運営しています。「だって、サイトいっぱいやってるじゃん!それぞれでPRすりゃいいじゃん」と抵抗したものの役員決定には逆らえません。となると、あとは更新を続けるしかない。お客様にWEBメディアの活用法を提案している会社である以上、ここでの挫折は会社としての「死」。さて、どうしよう。

ブログをはじめる前に決めること

本来、ブログを始めるにあたっては、ブログの目的の決定が第一です。「はてな」さんあたりでよく雑記ブログを見かけますが、たぶん開設して一定の更新頻度を保ちながら1年以上継続しているブログは5%あるかないかだと思います。あっという間にヒットしたサイトを除き、満足な報酬を得ないまま続けている人は、本当に文章を書くのが好きな人で、単純に自己表現したい欲求の強い人だと思います。

うちの場合は、日々取材や構成に追われ、コトバにまみれて仕事しているし、表現をアウトプットし続けています。自己表現をしたい欲求なんてこれっぽっちも残っていません(私に限るかも)。たぶん組織がブログやSNSをやろうと言い出したケースでは、多くの社員さんは同じ反応だと思われます。やると決めたらやり抜くことが大切だし、「やる気」に期待しないことがブラック企業にならないための第一歩。目的なき会社ブログ、やり抜く制度を構築しましょう。

どんなサイトにしたいのか

目的もなく、なんで会社ブログをはじめたいのか言い出しっぺの役員に確認しました。

Blog Top | 株式会社LIG(リグ)|DX支援・システム開発・Web制作
「LIGブログ」はDX、デザイン、マーケティングに関する情報を社員が発信するオウンドメディアです。ビジネスのヒントや日々の業務の効率化、キャリアに役立つ情報を掲載しています。
面白法人カヤック
面白法人カヤックのコーポレートサイトです。「つくる人を増やす」を経営理念に掲げています。

特にリグさんがお気に入りだとか。むちゃくちゃハードル上げてんな。しかも、すげえ目的意識のしっかりした会社じゃん。以前、うちが ぱくった 刺激をいただいた

GIGAZINE(ギガジン)
日々のあらゆるシーンで役立つ情報を提供するIT系ニュースサイト。毎日更新中。
バズ部
私たちが考える最高のWebマーケティング、コンテンツマーケティングについて、会社経営者、Webの担当者や個人事業主の方々にダントツで役に立つコンテンツを提供する「バズ部」
カラパイア
不思議と謎の大冒険
哲学ニュースnwk
(哲学ニュースnwk)

と違わないというか、相似性(オウンドメディアを作る意志)がその役員に見えてないだけです。「リグさんみたくなりたいの?」と聞いたら「そう、リグさんで働きたい」と答えてくれました。うちは汗臭い映像プロダクションのイメージが強いので、おしゃれ目なWEB系プロダクションにイメージチェンジしたい強い意志が感じ取れました。とにかく、ブログの目的が楽しそうな会社に見せることだとわかりました。

リグさんのようなブログを作りたい。

なりたい自分を決めること、これとっても大事です。

更新頻度を決める

たぶん、これが一番大事。毎日更新とかいっても365日なのか営業日に限るのか、それだけでもずいぶん違います。ちなみに、企業の年間休日数の平均は120日前後といわれています。うちは110日らしいので年に245回更新でOKとなります。

もちろん個人ブログでもないので、小さな会社とはいえ部署単位に振り分けると、4部署で各部署が61回更新すればよい。でもできれば担当曜日も明確化できるから、5部署にしたい。そうだ、言い出しっぺの役員に週1更新を託せばいい。

更新日の決定

  • 更新は各部署、週1回。
  • 更新は年245回、閏年は246回
  • 金曜日は役員が更新。←みんながもっとも疲弊する木曜日に変更。
  • 役員が更新出来ていない場合は、社員になんらかを還元
  • 当日、午後10時までに更新がなき場合は上長が必ず更新。

大切なのは、上長が書くように指導するのではなく、自らが書くこと。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。

山本 五十六

ちなみに

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

と続きます。

猶予期間を設ける

習慣化するためには、挫折感が天敵。なだらかな段階設定が必要だし、忘れた場合も許容する態度で接する必要があります。ただし、いつまでには完全にルーティンにするかを明確にします。もちろんサイトの体裁、特にカテゴリー、タグの定着は急ぎたいところです。

ブログ習慣化までの工程表

  1. 4月は試行期間とする。各人ブログのテーマを決め、編集画面に慣れましょう。
  2. 5月は定着期間とする。カテゴリーやキーワードを確定させます。
  3. 6月以降ルーティンとする。

報奨制度の検討

社会人のモチベーションはやっぱりマネー。月間ベースでPVの多い記事にインセンティブを導入します。月単位で結果が出る5月以降の施行となります。記事単位、部署単位で集計していきます。役員が結果を出せば、当然役員がその報奨の権利を頂きます。

MVPには取材費を支給

報奨金という名目ではなく、次なる取材費として支給します。貯めこむお金ではなく、使い切るお金です。上限は設けますが、稟議なく領収書を承認します。

MVP= most viewed page/month and year

カテゴリーの選定こそすべて

WEBサイトを作るうえで、最も大切なことは目的とカテゴリー選定です。目的は狭くシングルイシューであることが望まれます。「あれもやりたい これもやりたい」は、あれも別サイト、これも別サイトと設定していくことが成功の近道です。

狭い目的の中で、カテゴリーとキーワード、タグの区分けは最初からなされていることも重要です。なぜならば、そこにGOOGLE神がいるから。GOOGLE神にとってわかりやすいサイトこそが、優良サイトなのです。

今回、他がやっているから、あんなサイトいいな、という安易な発想で会社ブログを発信することになりました。ある意味これは神に逆らう行為です。さて経過やいかに。みなさまもお楽しみに。

コメント

  1. […] 会社や組織のブログを続ける技術 ① 会社や組織がブログを発信することの意味や、継続するための制度設計について考察しています。st-ring.com2018.04.02 […]

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